−ワンポイント解説−

               消費税の改正の概要

○はじめに

   「所得税法及び消費税法のー部を改正する法律」及び「地方税法等の一
   部を改正する法律」が平成6年12月に公布されました。改正された
   消費税法及び新たに創設された地方消費税は、平成9年4月1日から
   施行(適用)されます。

1.消費税の税率の引上げ

   消費税の税率が、4%(現行3%)に引き上げられます(地方消費税と
   合わせた負担率は、5%となります。)

2.中小事業者に対する特例措置の改正

   (1)事業者免税点制度の見直し
       資本又は出資の金額が1,000万円以上の新設法人は、その
       設立当初2年間は、納税義務が免除されないこととなります。

   (2)簡易課税制度の見直し

       簡易課税制度を選択することができる基準期間の課税売上高の
       上限が2億円(現行4億円)に引き下げられます。

   (3)課税事業者選択届出書等の提出に係る特例の創設
 
       災害その他やむを得ない事情があるため課税事業者選択届出書
       等を、その適用を受けようとする課税期間の開始前に提出でき
       なかった場合において、税務署長の承認を受けたときは、その
       課税期間開始前に提出したものとみなすこととする特例が設け
       られます。

   (4)限界控除制度の段階的廃止

       限界控除制度が平成9年4月1日以後開始する課税期間から廃
       止されますが、経過措置として平成9年4月1日前に開始し、
       同日以後に終了する課税期間については10万円を限度に控除
       することとなります。

3.仕入税額控除制度の改正

   仕入税額控除の適用を受けるためには、課税仕入れ等の事実を記載した
   帳簿とともに課税仕入れ等に係る請求書等を保存しなければならないこ
   ととなります。




4.中間申告、確定申告について
  (1)中間申告に係る確定消費税額の改正
 
      中間申告を要する直前の課税期間の確定消費税額の下限額が引き
      下げられます。
  (2)確定申告書等への書類添付義務規定の創設
  
      確定申告書には、課税期間中の資産の譲渡等の対価の額、及び課
      税仕入れ等の税額等に関する明細書を添付しなければならないこ
      ととなります。

5.経過措置
   今回の改正に当たっては、税率等の適用に関して次に掲げる経過措置が
   設けられています。

    (1)適用日(平成9年4月1日)前に領収している旅客運賃、映画・
       演劇の入場料金等で、その乗車又は入場等が適用日以後に行わ
       れるときは、現行税率(3%)が適用されます。

    (2)適用日前から継続して供給又は提供される電気、ガス、水道水及
        び電話等の料金で、適用日から平成9年4月30日までの間に確
       定する料金については、現行税率(3%)が適用されます。

    (3)指定日(平成8年10月1日)前に契約され、適用日以後に引き渡
       される工事等の請負契約等については、現行税率(3%)が適用
       されます。

    (4)指定日前に締結した資産の貸付契約に基づいて、適用日前から適
       用日以後引き続きその契約に係る資産の貸付けを行っている場合
       で、その内容がー定の要件に該当するものについては、現行税率
       (3%)が適用されます。

    (5)その他、役務の提供に関する経過措置、予約販売に係る書籍等に
       関する経過措置など、所要の経過措置が設けられています。



           消費税に関しての照会事例

 (事例1)
   免税事業者であるA法人(12月決算、不動産業)が、平成10年12月決算以
   降課税事業者になると認められるので、平成8年9月30日以前に「簡易課税
   制度選択届出書」を提出することにより、平成8年改正令付則2の適用を受け
   て、平成10年12月決算の消費税額の計算において第4種事業として仕入控
   除税額を計算することができるか。
   (回答要旨)     「簡易課税制度選択届出書」は、その提出日の属する課税期間の翌課税期間     (事業を開始した日の属する課税期間である場合には、当該課税期間)から     簡易課税制度の適用を受けることを前提として提出するものであるから、翌     課税期間が課税事業者でないことが明らかな場合に、翌々課税期間を適用開     始課税期間とする「簡易課税制度選択届出書」の提出は認められない。
 (事例2)
   ホテル事業者が開催するディナーショウは、入場料金等の前売りに関する経
   過措置の適用対象となるか。
   (回答要旨)     ホテルでディナーショウを企画した場合の、そのディナーショウの料金は、     改正令付則第4条第1項に規定する「映画、演劇、園芸、音楽、スポーツ又     は見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、又は聴かせる場所への入場料金」に     該当することから、改正法付則第10条第1項に規定する経過措置の適用を     受ける。     なお、この経過措置は、平成9年3月31日までにその対価を領収したもの     について適用されるものですから、発売日が平成9年3月31日以前である     ことを明確にしておく必要がある。
 (事例3)
   ファイナンスリース契約の条項に「リース期間満了する2か月前までにりース
   借り主から申出があれば、契約当事者の協議により当該契約を更新し、リース
   物件を再りースすることができる。」旨の規定がある場合において、当該再リ
   ース契約によるりース物件の貸付を行うときは改正令第10条3項の適用を受
   けることができるか。
   (回答要旨)     照会のような契約条項があるファイナンスリース終了後の再リースについて     は、ファイナンスリースとしての経過措置の適用はないが、当該条項により     契約の更新された日が指定日前であり、改正法付則第10条第4項第1号及     び第2号の要件を満たしているものであれば、同項の経過措置の適用がある。
 (事例4)
   建物賃貸借契約において、賃料については銀行口座に毎月指定日までに振り込
   むこととされており、また、振り込んだ料金について領収書は発行されないこ
   ととなっている。このため、仕入税額控除の要件である請求書等の保存ができ
   ない状態にあるが、平成9年4月1日以降は、振込みの際の銀行が発行した振
   込受取書を賃貸借契約とともに保存することで仕入税額控除の要件を満たして
   いるものとして取り扱うことはできないか。
   (回答要旨)     振込金受取書は課税仕入を行った事業者が内容を記載して銀行が振込の事実     を証明した書類であり、法第30条第9項第2号に規定する事項のうち「課     税仕入に係る資産の又は役務の内容」は記載されていないものの、賃貸借契     約書とともに保存することで同号の記載事項が客観的に網羅され、その振込     の事実について銀行が確認したものである点から、振込金受取書を契約書と     ともに課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から、7年間保存する     ことで仕入税額控除の要件を満たしていることになる。
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